hijaiのブログ

沖縄、日本、世界の情勢や芸術について自由に意見するぞー

政府も米軍も辺野古移設を急いでいない 辺野古移設反対派は無駄なことをしている

政府も米軍も辺野古移設を急いでいない 辺野古移設反対派は無駄なことをしている


自民党政府が普天間飛行場を辺野古に移設する目的は普天間飛行場の危険性を除去するのが目的ではないことを認識するべきである。政府の目的は米軍基地撤去運動を鎮めることである。 


1995年9月に米海兵隊員による少女暴行事件が起きた。その事件をきっかけに県民の米軍基地撤去運動が高まっていった。沖縄県民総決起大会が開催され、8万5千人が参加した。反米軍基地運動の盛り上がりに大田昌秀知事(当時)は米軍用地強制使用手続きの公告・縦覧の代理署名を拒否することを決断した。沖縄の基地負担軽減を求める機運は復帰運動以来の高まりをみせた。政府は困った。
この動きを鎮める方法として橋本龍太郎首相が考え出したのが普天間飛行場を撤去して県内の安全な場所に移設することであった。移設案を米国に要求し、米国も承諾した。橋本首相は米軍普天間飛行場を「向こう5年から7年にかけて」全面返還をすることで米国と合意したことを明らかにした。橋本首相の目的は普天間飛行場の撤去が目的ではなく米軍基地反対運動を鎮めるのが目的であった。橋本首相の狙い通り反対運動は落ち着いた。大田知事も代理署名をやった。、政府の目的は反対運動が激しくならないことである。そのための辺野古移設である。政府はを辺野古移設を急いではいない。


普天間飛行場の撤去が6、7年の予定であったのに27年経っても移設はしていない。それどころか新たに見つかった軟弱地盤のために10年近く移設は延びることになった。だが政府にあせりは全然ない。基地撤去運動を鎮める政府の目的は狙い通り進んでいるからだ。
以前は普天間飛行場撤去を主張し、撤去運動は激しかった。しかし、辺野古移設が決まると次第に普天間飛行場撤去の声は小さくなっていった。撤去を主張すればするほど辺野古移設に賛成しなくてはならなくなる。でも基地撤去派は辺野古移設に反対している。基地反対派は県外撤去を目的にしている。しかし、普天間飛行場撤去は辺野古移設と重なるところがある。だから、普天間飛行場撤去運動はしづらくなっていった。普天間飛行場県外撤去・辺野古移設反対派はキャンプ・シュワブでの移設反対運動に集中するようになった。普天間飛行場撤去運動はしなくなっている。


普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に日米が合意して27年となった12日に、宜野湾市の松川正則市長は県庁で玉城デニー知事と面談し、普天間飛行場の1日も早い閉鎖・返還と速やかな運用停止に向けた協力を求めた。航空機の飛行による騒音などに対する苦情が年間300件を超えており「悲鳴に近いものがある」と強い懸念を示した。
デニー知事は普天飛行場の辺野古移設に反対である。政府の埋め立て工事を阻止するために軟弱地盤の改良に伴う埋め立ての設計変更をデニー知事は許可しないで裁判で争っている。埋め立て予定地のサンゴを保護するための移植申請も許可しないので裁判で争っている。デニー知事は辺野古移設反対に徹しているのだ。
松川市長の要求をデニー知事が受け入れるはずがない。普天間飛行場の返還手法を巡っては、辺野古移設を容認する松川市長と、辺野古移設に反対する玉城知事で立場の違いが改めて表れた。松川市長の要求をデニー知事は断ったのである。


辺野古移設反対のデニー知事は普天間飛行場固定派である。デニー知事だけでなく全ての辺野古移設反対派は普天間飛行場固定派である。県外移設はできない。海外移設は日米政府が反対である。だから、辺野古移設ができなければ普天間飛行場は固定化するのだ。それを知りながら辺野古移設反対をしゅちょうするのだから歴然とした普天間固定派である。
デニー知事は県外移設を目指して本土を調査したことは一度もない。県外移設は不可能であると認識しているからだ。国外移設で米政府と交渉する予定はない。辺野古移設ができなければ普天間飛行場は固定化することをデニー知事は容認しているのだ。
辺野古移設について賛否に分かれる松川市長とデニー知事は、国、県、同市で構成する「普天間飛行場負担軽減推進会議」の早期開催を国に求めることでは一致した。松川市長も辺野古移設を急いでいないようである。
キャンプ・シュワブで座り込み運動をしているリーダーたちは土砂トラックがシュワブに運び入れるのを阻止したから、工事は2、3年遅れていると自慢している。普天間飛行場移設を先延ばしにしているのを自慢しているようなものである。彼らは政府の移設計画を遅らせていることを自慢しているが、政府は辺野古移設を全然急いでいない。遅れても平気である。彼らが辺野古移設反対に集中して米軍基地撤去運動が過激でなくなったことを歓迎しているのだ。政府の魂胆に載せられているのがキャンプ・シュワブの移設反対派である。
軟弱基盤が見つかったことで政府は埋め立て設計の変更を計画し、県は埋め立てを阻止する目的で政府の設計変更申請を承認していない。政府と県が軟弱地盤の埋め立てで争っている。
松川市長が辺野古移設を早く実現したいのなら軟弱地盤埋め立て以外の方法を模索するべきである。模索しているようではない。松川市長も移設を急いでいないということか。
米軍は辺野古に移設するより普天間飛行場の固定化を望んでいる。普天間飛行場は高い所にあり塩害がないからだ。日米政府が決めたことだから仕方なく従っているのが米軍である。
辺野古移設は日米政府、米軍も急いでいない。何十年かかろうと辺野古移設が米軍基地撤去運動を大人しくさせていればいいのだ。デニー知事、移設反対派も政府の狙い通り反対運動を継続していくだけである。大人しい基地撤去運動をやりながら。


辺野古移設賛成派も反対派も普天間飛行場の固定化を黙認しているのである。


琉球新報は
「県民の分断も省みない政府の手法には依然として反対の世論は高い。シュワブ沖では軟弱地盤の問題が明るみに出るなどしており、普天間飛行場の返還は見通せない状況だ」
と述べている。その通りであるが、辺野古移設の長期化による普天間飛行場の固定化では分断していないようである。普天間飛行場の返還が見通せない間は米軍基地撤去運動は穏やかであるだろう。