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「左側の自民党をめざせ」は党首公選要求よりも内部破壊力のある爆弾 2

「左側の自民党をめざせ」は党首公選要求よりも内部破壊力のある爆弾 2


 松竹伸幸氏は全日本学生自治会総連合(全学連)委員長を務め、共産党の青年部である民青同盟の役員になった。日本共産党国会議員秘書、政策委員、政治・外交委員会副責任者、安保外交部長を歴任。2001年7月の第19回参議院議員通常選挙に比例区から立候補[落選した。
 松竹氏は共産党の中央委員会勤務のエリートであった。しかし、エリートの道が提出した論文が原因となってエリートコースから落ちてしまう。
党月刊誌『議会と自治体』2005年5月号に、論文「9条改憲反対を全国民的規模でたたかうために」を寄稿した。自衛隊活用論をめぐって、幹部会委員長志位和夫から批判を受け、政策委員長小池晃らと1か月近く議論した。意見の相違は埋まらなかった。2006年、日本共産党中央委員会勤務員を退職した。中央委員を辞めるということはエリートコースから脱落したということだ。中央委員のトップである志位委員長と対立することは許されないことである。


共産党には中央委員会がある。中央委員は約200人で共産党の中枢である。
第28回党大会で選出された中央委員、准中央委員は次の通りです。
幹部会委員長 志位和夫
書記局長 小池晃
常任幹部会(26人)
幹部会(64人)


中央委員(193人)准中央委員(28人)
中央委員は政策委員会、人権委員会、ジェンダー平等委員会、国民運動委員会など12の委員会に属し、給料をもらい専門的な活動をしている。中央委員会が共産党中枢部であり、共産党の綱領をつくり、政治方針を決定する。


中央委員会を退職した松竹氏と中央委員には決定的な違いがある。それが「左側の自民党」を松竹氏が目指していることである。「左側の自民党」は中央委員会が絶対に受け入れない。
レーニンがロシア革命を起こし、社会主義国家を設立した後に、社会主義国家が米国の議会制民主主義を超えた国家であると信じて設立したのが日本の共産党である。米国より後にできたのがソ連であったから米国よりも優れた国家になると信じた人たちが共産党を設立した。
レーニンは米国の議会制度を否定した。選挙で選ぶとブルジョアジーが議員になる可能性がある。プロレタリア階級のための政治が邪魔される。ブルジョアジーが入ってこれない政治をするには共産主義者だけの政府でなければならない。だから、レーニンは共産党一党独裁の国家をつくった。日本共産党が目指しているのは共産党一党独裁である。しかし、一党独裁の実現は困難である。だから、共産党は二段階革命論を目指している。第一革命が民主主義革命、第二革命が社会主義革命である。社会主義国家になったら、次に共産社会をつくり上げる。共産社会は支配階級が消滅し、平等で自由なまるでユートピアのような社会である。共産社会を目指しているのが共産党である。共産主義は共産党の根本である。社会党は立憲民主、社会民主党と党名を変えたが共産党だけは党名を100年間変えていない。徹底した共産主義者の党だからである。他の政党とは性質が違うのが共産党である。
中央委員会の委員は共産社会を目指した共産主義者であるだろう。「左側の自民党を目指せ」と主張する松竹氏は共産党員として失格である。「左側の自民党を目指せ」ということは共産党は自民党と同じ世界で覇を競うということである。レーニン・マルクス主義を堅持している共産党のリーダーたち、中央委員会のメンバーにはそのような考えはないだろう。
レーニンの国家論では国家というものは支配階級が被支配階級を支配する機関であるとする。レーニンの国家論からすれば米国や日本の現在の国家は労働者を搾取するブルジョア階級が労働者階級を支配する国家である。今の日本国家を共産党は認めていない。資本主義側である自民党も認めていない。
松竹氏の「左側の自民党を目指せ」は現在の国家体制を容認し、自民党を容認することになる。資本主義側の自民党を共産党幹部が容認することはない。共産党を自民党と同じ世界に入れた松竹氏「左側の自民党」は許されないことである。
共産党が議席を増やすことを最優先し与党を目指すなら松竹氏の主張が正しい。しかし、共産党は議席増を最優先している政党ではない。新たな国を目指した政党であり、新たな国を目指す国民を増やすことを最優先している政党である。
松竹氏は自分のことを「超左翼おじさん」と自称している。左翼にも色々ある。共産党はロシア革命の影響で100年前に誕生した。レーニンの影響が強い左翼である。松竹氏は共産党員であり、左翼を自称しているが、マルクス・レーニン主義の左翼でないことは確かである。学生の時に学生運動に参加し、レーニン、マルクスを学んだから、松竹氏がマルクス・レーニン主義でないことは分かる。共産党は今もマルクス・レーニン主義を堅持している。松竹氏は、共産党の幹部にはなれない共産党員である。