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米の議会制民主主義に無知な平安名純代の「2025年までに台湾有事が起こり得る」

米の議会制民主主義に無知な平安名純代の「2025年までに台湾有事が起こり得る」 


 沖縄タイムスに米国特約記者である平安名純代氏の「『2025年までに台湾有事が起こり得る』米軍幹部が内部文書 嘉手納基地にも送付」の記事が掲載された。平安名氏は米NBCニュースが「米軍幹部が関係部署に送付した内部文書で、2025年までに台湾有事が起こり得ると警告し、沖縄から台湾、フィリピンを結ぶ第一列島線内に、統合機動部隊を配備するなど準備を急ぐよう指示した」と報じたという。
 この記事を読んで米国は2025年に台湾有事が起こると予想していると思ったら間違いである。台湾有事は米軍のシミュレーションの一つであって米政府が予想したことではない。米国防総省はNBCの取材に対し、文書が送付されたことは認めたが「中国に関する国防総省の見解ではない」と否定している。2025年に台湾有事が起こるというのは米軍の仮定である。国防省が予想していることではない。つまり米政府は2025年に台湾有事が起こるとは思っていないということだ。そのことで米政府と米軍が台湾有事について考えが違う・・・米政府と米軍が対立している・・・と思うのは間違いである。米軍は軍事が専門で中国の軍事を詳しく調査し、中国と戦争になった時にはどのような展開になるかを研究している。模擬演習(シミュレーション)をして、戦略を研究していくのである。
米軍が戦争を決めることはできない。決めるの政府である。米軍はいつどんな戦争になっても対応できるように準備している。政府の戦争決断にいつでも応じることができるようにしているのが米軍である。2025年に台湾有事が起こるというのは米軍が想定した一例である。2025年に台湾有事が起こった時の戦争の流れを米軍が予想したのを米NBCニュースが放送したのである。
習主席が台湾侵攻するかしないかは軍事だけでは判断できない。政治、経済も大きく関係する。政治では官僚を中心とした習政権と人民解放軍との対立問題がある。習政権は万全とは言えないのだ。経済は習政権が民間企業を弾圧したために経済成長が行き詰まっている。それ加えてゼロコロナ政策で経済はますます悪化した。政治、経済抜きなら2025年に中国が台湾侵攻するのを想定することができるが政治、経済を加えると習政権の台湾侵攻はないと考えられる。
米軍は2025年に台湾有事が起こった時に、中国軍と米軍の実力を分析すればどのような展開、結末になるということをシミュレーションしただけである。それを米軍が2025年に台湾有事が起こると予想していると思うのは間違いである。米軍は軍事のみに関わっている政治には関わってはいけないのが米軍である。米軍は政府の中の国防総省の管轄にある。


アメリカ合衆国国防総省・・・行政機関のひとつである。アメリカ軍の八武官組織のうち、沿岸警備隊、アメリカ公衆衛生局士官部隊、合衆国海洋大気局士官部隊を除く陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍の5つの軍を傘下に収めている。


米軍は行政機関である国防省の傘下にある。米軍は軍事のみに関わり、政治、経済には関われない。米軍が政治、経済も加えて中国の台湾侵攻を予測すればもっと確実な台湾有事を予想できるが米軍が政治、経済に関わることは禁じられている。
 米軍が政府の管理下にあることをジャーナリストの田中良紹は次のように述べている。
「私も昔は「軍隊は悪」と思っていた。しかし米国議会を取材してその考えを改めた。米国議会はしばしば軍の幹部を喚問して追及する。議会は軍の予算を握っているので軍は議会の意向に逆らえない。戦争を遂行する権限も議会が握っている。つまり軍は国民の代表が集う議会の制約下にある」
 国民主権の議会制民主主義国家で政治の主導権は国会にあって、軍は行政の政府の管理下にあるということである。
 米軍が2025年に台湾有事が起こるというのは米軍のシミュレーションの一つであって現実的な予想ではない。
 米軍のシミュレーションを現実に起こると予想している平安名氏や本土のジャーナリストは米国の議会制民主氏主義を理解していない。だから、大騒ぎするのである。
 別のシミュレーションがある。米国のシンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)のシミュレーションは中国軍が2026年に台湾へ上陸作戦を実行すると想定している。独自に実施した机上演習(シミュレーション)の結果を公表した。大半のシナリオで中国は台湾制圧に失敗したが、米軍や自衛隊は多数の艦船や航空機を失うなど大きな損失を出す結果となった。


 中国の政治、経済の実情を知れば習政権が台湾侵攻できないことは簡単に分かる。それを知らない平安名、ジャーナリストである。